2022年を迎えて

全国一般大阪地方労働組合ユニオンおおさか執行委員長 道脇清

ユニオンおおさかの仲間の皆さん新年のごあいさつを申し上げます。

2021年は、前年から引き続く新型コロナウイルス感染症は国内外に影響が拡大しました。年末・年始においては終息傾向にありますが、新たなオミクロン株が海外で増加しつつあり予断を許さない中で、政治・経済状況は、国内外を含めて混沌とし、先行きが不透明となっています。


改憲、防衛費増強を許さない

岸田政権は前政権が1年で投げ出した後、「新たな資本主義」をめざすとして基本政策を引き継いでいます。とくに、自民党改憲4項目を基本に「憲法『改正』実現本部」をとりくみ、さらに、「敵基地攻撃能力」を含めて検討し、防衛費を「GDP比2%以上も念頭に増額をめざす」と表明しており、容認できないものです。

経済政策では、財政支出は過去最大の55.7兆円と巨額対策となり、コロナ禍で苦しむ個人や事業者への支援を理由としているが、バラマキとも言える予算編成となりました。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用も年金法「改正」や世界金融政策に左右されるなど将来の不安定要因が高まり、運用の見直しなど抜本的な対策が求められています。


真の働き方改革をめざそう

他方、歴代政権は「働き方改革関連法」を強行し、長時間労働の是正をはかるとしながら過労死ラインの長時間労働を容認・助長する残業代ゼロ法などを導入しました。さらに、昨年4月からは中小企業にも同一労働同一賃金制度がスタートし、正規・非正規の格差是正の実現、65歳定年法制化(公務員)、70歳への継続雇用が努力義務となりました。一方で、「働き方改革」の名のもとで「副業」を認め、業務委託、請負、フリーランスなどのあいまいな雇用問題などは課題であります。


全ての選挙闘争に全力をあげよう

自公政権は集団的自衛権行使容認とともに、米国の言いなりに高額な最新型の兵器を長期間にわたって購入しました。さらには、イージスアショアの配備が困難となる中、2隻の新イージス艦購入や沖縄・南西諸島の軍事基地化など戦争ができる国づくりにまい進しています。まさに子ども・孫の世代が戦争の道へ引きずられていくのは必至であり、非常に危険な社会が到来しつつあります。岸田政権がすすめる憲法改悪の動きに対して、九条改憲阻止にむけての大衆行動が重要となっています。そのため、今年夏に行われる参議院選挙闘争(鬼木誠候補必勝)に勝利し、岸田政権の打倒に向けて奮闘する必要があります。


地裁・労働委員会闘争支援
未組織の組織化を実現しよう

次に、未組織労働者の組織化、組織強化・拡大の課題であります。昨年は、Eメールやインターネットなどを活用し、前年同様200件超の労働相談に対応しました。

その結果、1単組(社会福祉法人・大阪市育成会労組)、23支部(東洋ワークセキュリティ、ハニューフード支部など)の仲間の組織化を実現しましたが、ここ数年、支部を結成してもほとんどが解決型であります。今後も安心して働き続けられる職場をめざして、非正規労働者を含めた組織化、職場内未加入の仲間の拡大に全力をあげていかなければなりません。

同時に多くの地裁・労働委員会闘争では、(サンプラザ、内藤証券労組、都島自動車学校支部)の不当労働行為救済申立とともに、和解交渉の継続(マテロックス、シークス支部など)とホロニクスグループ支部地位確認、医誠会損賠請求訴訟などへの物心両面の支援にとりくみます。今後も未組織の仲間の相談とともに問題・課題の解決をはかっていきたいと思います。


賃上げを実現し、生活防衛を図ろう

2022春闘は、物価上昇が見込まれる中で、格差是正、生活向上にむけ確信の持てる要求を組織し、春闘討論集会参加など春闘勝利に全組合支部・組合員が体制づくりをはかるとりくみが重要となっています。

本年もよろしくお願いします。