2018年11月1日、
ユニオンおおさかソラスト支部が
ソラストつかしん近辺でビラまき!

(株)ソラストは病で倒れた介護労働者Mさん(女性)の雇用と生活を守れ!

パワハラと休憩時間が取れない過重労働!
(株)ソラストは介護労働者Mさんが病で倒れた責任を取れ!

介護労働者が安心して長く働けるように労働条件、職場環境を改善しよう!

ユニオンおおさかは病に倒れ障害者になった介護労働者の雇用と生活を守る取り組みを行っています!働く仲間の皆さん!市民の皆さんのご支援・ご協力をお願いします。

ビラ
新聞記事

 

Mさんが病で倒れた経緯とユニオンおおさかの取り組み

(1)株式会社ソラストは1968年10月に設立された医療・教育・福祉のサービスを業とする会社であり、2016年には東証一部に上場している。会社には介護事業部があり、M支部長が働いていたソラストつかしんは関西介護ブロックに所属している。会社にはUAゼンセンのソラストユニオンがあり、M支部長も加入させられていた。

(2)2017年5月1日にM支部長は株式会社ソラスト(以下会社という)に正社員として入社しソラストつかしんで訪問介護の仕事に従事した。M支部長は長年ワタミで介護の仕事をするなど昼夜を問わずハードな介護の仕事をした経験、実績があり、ソラストにおいてもハードな介護の仕事をこなしていった。賃金は手取りで16~17万円程度。尚、M支部長は雇用保険、社会保険に加入したが、職場では退職しても失業手当は所長以上でないと支給されないといわれ、M支部長をはじめ多くの労働者がそれを信じているという理解しがたい現実があった。

(3)会社は入社したてのM支部長に対して出退勤や業務報告をタブレットに入力する方法を教えなかった。M支部長はタブレットの電源の入れ方もわからず、サービスの責任者(以下サ責という)らにその扱い、入力の仕方を教えるように頼んだが、「他の人に聞け」といわれ拒否された。結局、誰からも教えてもらえなかったM支部長は自分で考えてタブレットに入力したが、数日後に間違っているとサ責らに怒鳴りつけるように叱責された。それ以降も、M支部長は、出退勤や業務報告の入力の仕方についてサ責らに教えられないまま、逆にミスをするとサ責、そして所長に激しく叱責される状態が継続した。M支部長の後に入社した労働者にはサービス責任者らはタブレットの入力の仕方などについて丁寧に教えていたが(M支部長はたまたまそれを目撃した)、M支部長には教えず叱責するという嫌がらせを繰り返した。M支部長が「どうして私には教えないの」とサ責らに抗議したところ、サ責らは「あなたはあなた、あの子はあの子」と差別扱いは当然というような反論をした。

(4)また、介護の経験・実績のあるM支部長でもサービスの予定時間が大幅に延長されるなど休憩時間が取れないほどハードな勤務実態も継続した。例えば、利用者のA氏に対する介護の場合は45分のところが倍の1時間半、同じくB氏の場合は1時間が1時間半、C氏の場合は1時間が1時間15分~30分、D氏の場合は30分が45分~1時間、E氏の場合は45分が1時間、F氏の場合は30分が45分~1時間等々、と利用者に対する介護の時間は延長された。そのため、M支部長は昼休みが取れず、昼食は移動しながら、公園などで取ることが多くなった。したがってまた、移動の時間の余裕もなくなり、一日中急いで「走り回る」ような介護の日々が続いた。すべての利用者の介護が時間延長になるわけではないのでM支部長にハードな介護の仕事が集中したといってもよい。

(5)M支部長は実際にかかったサービス提供時間について日々タブレットに入力し会社に報告するとともに介護業務の実際の困難や利用者が困っていることについて上司に報告し相談した。しかし、サービス提供時間の延長については上司に報告・相談しても、逆にM支部長はサ責、所長にその都度叱責された。他の人はできるのに、“何故あなたは予定の時間内にできないの”、と。サービスの提供時間とその内容、サービスの価格はセットになっており、会社としてはケアプランどおり時間内に終わらないと困るからであった。
しかし、M支部長がサ責らが時間内にできると名指しした人に尋ねたところ、その人も同様に時間内にできないと答えた。M支部長と同様に仕事をした別の同僚も上記の利用者のサービス提供時間延長の事実を認めている。M支部長がサービス提供時間延長について所長らに不当に叱責されていることは明らかであった。

(6)M支部長は度々利用者からサービス内容の改善について相談を受けた。M支部長がサ責らにその旨報告・相談しても、逆に「あなたの介護が悪いから」と叱責され相談に応じてもらえなかった。利用者からの訴えを報告する度に叱責されたため、M支部長が上司に相談できなくなると、今度は利用者はM支部長が上司にちゃんと改善提案しているのか不審におもい、M支部長と利用者との人間関係がぎくしゃくすることになった。

(7)重症の利用者の場合、命にかかわる介護もあるのであって、本来、サービス内容の改善、時間の延長は利用者の訴えをふまえ会社として適切になすべきことであった。例えば、D氏のようにトンテキも噛めない利用者については、食べ終わるまで見届けないと喉につまらせる危険もある。食事を用意した、後は喉を詰まらせ窒息しようが関係ない、という姿勢は介護(事業)者としては許されない。M支部長はD氏の介護について15分~30分、サービス提供時間を延長せざるを得なかった。こうしたことはケアプランの変更を含め問題を会社として組織的に解決する必要があることであった。ところが、所長らはM支部長が相談した諸問題を具体的に解決しようともせずに時間内に終わらない、あなたの介護が悪いとM支部長を叱責したのである。

(8)こうして、M支部長は上司に不当に叱責されながら、昼食もまともに取れず利用者の間を走りまわるハードな介護の仕事を日々余儀なくされ、精神的に肉体的にも追いつめられていった。このハードワークと叱責に耐えられないとおもったM支部長は同僚とともに10月はじめ、12月末までに退職させてほしいと会社に願い出た。
M支部長は会社に対して、「会社の仕事きつい、上司の教え方、きつい・しんどい、サービス回る20分10分でいけ、しんどい、だからやめたい」、と自身のつらい状態を切実に訴えた。M支部長は10月はじめから11月にかけて何度もやめさせてほしいと訴えた。しかし、「優秀な人材」であるM支部長を退職させるわけにはいかないと判断した会社はこのM支部長の切実な訴えを認めず、やめるのは「社会人としてダメ、わかってるな!」といいMさんをやめさせなかった。まじめな介護労働者は介護が必要な利用者の命と生活を考えて介護するかわりのものができるまでは簡単に退職できない。M支部長は自身が辞めても介護に支障が出ないように3か月も前に退職願いを出したのであるが、会社は利用者に迷惑をかけまいとする気持ちを逆手にとってM支部長を「社会人としてダメ」と叱責し退職しないように説得したわけである。

(9)この場合、会社は所長らを厳しく注意しつつ上司とM支部長ら部下とのコミュニケーションをはかる会議を開いて改善するからといってM支部長らに退職しないように説得した。こうして会社が退職願を受理せず説得し続けた結果、M支部長は追い込まれ、12月になって2018年3月までやめないで様子をみると言わざるを得なくなった。会社の管理者によれば、M支部長が11月~12月に所長より上の上司に所長らの不当性、退職の件を訴えたため、その上司は「下のものが辞めるというのはあなたたちのせいですよ!あなたたちの指導が悪いからそういうことになった」と所長らを叱責したとのことである。しかし、この会社の対応によりM支部長は、所長から「あなたのせいで」叱責された!会議することになった!と叱責され続けかえってひどく追いつめられてしまった。

(10)こうした会社の対応は、M支部長の精神的・肉体的限界状況を理解しない営業優先の立場からなされたものであり、明らかに不適切であった。会社がM支部長の訴えを精神的・肉体的に破たんする寸前の深刻な問題として受け止めなかったこと、単なる上司と部下とのコミュニケーション不足の問題、ミーティングを開いて改善できる問題として判断したことは軽率であり誤りであった。M支部長の訴えは介護の事業・現場の構造的な問題、会社の経営方針の問題もからんでいるのであって、上司と部下との単なるコミュニケーション不足の問題ではない。こうした不適切な会社の対応があったために、M支部長はしんどいのにやめられない、耐え難かった所長らとの人間関係が一層悪化するというストレスの極限に達してしまった。こうして逃げ場を失い追いつめられたM支部長は12月末に発症するにいたったのである。

(11)12月28日、M支部長はソラストつかしんに出勤する途上で過呼吸の発作を起こして倒れ救急車で病院に運ばれた。1月3日まで休んだ後、M支部長は1月4日、出勤したがソラストつかしんの事務所につく前に過呼吸の発作で倒れ病院に運ばれた。1月5日、会社から話し合いをするために呼び出されたM支部長はソラストつかしんの事務所までたどりついたが、そこでまた、過呼吸の発作を起こし病院に運ばれた。M支部長はソラストに出勤し仕事をするプレッシャーで所長、サ責らに対するプレッシャーで過呼吸の発作を起こし意識を失うまでの病状・病体になってしまった。会社がM支部長の12月末日付の退職願いを受理していれば、発病していなかったことはあきらかである。

(12)以降、M支部長は休職状態に入った。しかし、体調は戻らず過呼吸の発作を繰り返し病院に何度も運ばれ治療を受けている。ソラスト(の業務と上司との人間関係)に関連するストレスでうつ病になった、と医師に診断された。実際、M支部長はソラストの近辺には近寄れない、鉄道に乗り付近を通過することもできない、ソラストの封筒を見ただけで発作を起こして倒れてしまうという深刻な病状になってしまった。

(13)しかし、会社はこうして発症したM支部長に対して自らの管理監督責任を感じて真摯に対応しようとしなかった。会社は傷病手当金の手続き等についてM支部長の母の問い合わせに対して丁寧に説明するなど適切な対応を行わなかった。ソラストの対応に不信と不安を募らせたM支部長と母はユニオンおおさかに相談し加入した。

(14)ユニオンおおさかは6月7日、会社に組合結成を通知し要求書を提出した。要求書には(イ)傷病手当金の申請の手続きや休職扱いの規定の開示(ロ)パワハラの責任の所在とその再発防止策を提示すること(ハ)残業代の支払いなどが要求されていた。会社は6月20付回答書において、傷病手当金の手続きは進めていること、パワハラはなかったこと、未払い賃金はないこと、6月末で退職扱いにすることなどを回答した。

(15)組合は会社と6月26日と7月11日に団体交渉を行った。会社側は人事部部長、関西介護ブロック長らが組合側はユニオンおおさか書記長とM支部長の母らが出席して団体交渉をおこなった。第1回団体交渉では会社は組合の要求に対してM支部長に対するパワハラはなかった旨、教育等も十分に行った旨、残業代も発生していない旨説明したが全く納得できるものではなかった。組合は病気のため団交に出席できないM支部長が会社の主張を検討できるように出退勤の記録等の組合への提出を求めたが会社はこれを拒否した。
また、組合は休職規定に基づく6月末付の退職扱いについて抗議し雇用を継続するように求めた。会社の休職規定に基づく退職扱いは業務外の傷病を理由にしたものであるから、組合はM支部長の業務上のストレスに基づく傷病はこの会社の休職規定に該当しない、と主張したのである(会社はその後、7月30日付でM支部長を退職扱いにした)。

(16)第2回団体交渉(7/11)において、会社側出席者の管理者はM支部長らの退職の訴えに関連して、会社が所長らに「あなたたちの指導が悪いからそういうことになった」と注意するなど適切に対応した旨釈明した。しかし、この管理者の発言は第1回団体交渉において、所長ら上司のM支部長に対する指導・教育に問題はなかったとする会社回答と矛盾するものであった。会社は実際は所長らの指導を問題視していたのであるが、会社の管理責任を回避するためにその事実を隠したとおもわれる(ちなみに所長は2018年2月頃所長から降格され、この管理者が所長になったらしい)。
こうした交渉の中で、会社はM支部長が団交に出席していないことについて不満を漏らした。これにM支部長の母は「娘を殺す気か!」と激しく怒った。組合はソラストの封筒を見るだけで卒倒するなどM支部長の病状を詳しく伝え団交に出席できない旨通知していた。M支部長は団交に出れば発作を起こし救急車で病院に運ばれるのは必至である。にもかかわらず、その厳しい現実を重く受け止めない会社。ソラストのせいで娘は命の危険にさらされている。M支部長の母は、娘を何故辞めさせてくれなかったのか、と会社を厳しく追及した。しかし、会社は、人手不足の中、退職させないように説得するのは当然である旨の釈明をしたにすぎなかった。
こうして、会社は団体交渉を通じて、パワハラ(嫌がらせ)の事実も自らの管理責任もサービス提供時間延長の事実も一切認めなかった。そこで、組合は会社がこうした不誠実な交渉態度に終始しているかぎり、ビラ配布など抗議行動をせざるを得ないと警告した。

(17)組合は7月17日に抗議及び申入書を送付し、雇用や残業代等に関する組合の要求をことごとく否定する会社の対応に強く抗議した。同時に組合は会社に対し、業務や退職をめぐるトラブルが原因で発症したM支部長に対する生活保障を行うように要求した。組合は具体的には、雇用の維持、賃金と傷病手当金との差額保障、医療費の保障、残業代の支払い等の生活保障を要求したのであった。また、組合はサービス提供時間が大幅に延長される利用者の名簿7人分を会社に提出した。
しかし、会社は7月25日の回答書においてこの7名について「サービス提供記録からはその事実を確認することはできません」としてM支部長がタブレットに入力したサービス延長の記録が残っていない旨回答した。その上、M支部長がサービス延長の事実の報告義務を怠った、ルールを守っていないなどと逆にM支部長を非難したのである。M支部長がサービス延長の事実をめぐって、上司から「なぜ時間内にできないの」と叱責され続けてきたのが真実なのであって、「報告義務を怠った」とM支部長を威嚇するアベコベの会社の回答は組合にとって驚くべきものであった。さらに、会社はビラまき等の組合の抗議行動については、売り上げに影響があった場合には損害賠償を求めるなどと、組合を威嚇した。

(18)組合は8月10日に申入書を提出し、サービス延長の記録がないとする会社の主張にデータの消去・ねつ造の疑いも指摘して反論した。さらに、会社としてM支部長が発病し働けなくなった責任をとるべきであると訴えた。そして、組合は会社に対して争議の拡大を防ぐために労働委員会の斡旋を活用することを提案した。組合は第三者(労働委員会の委員)の意見に真摯に耳を傾け争議の解決に向け努力するので会社も斡旋に応じるように提案したのである。
会社は斡旋の応諾について組合から斡旋申請書が出された場合、その内容を検討してから決定すると回答した。

(19)組合は9月19日、兵庫県労働委員会に斡旋申請を行った。当組合は、紛争の早期の決着、その拡大を防ぐことが労使双方にとって得策であると考えた。特に、M支部長の病状は深刻であり、争議を早期に解決し、病気を治せる環境をつくることが必要である。会社は労働委員会の斡旋に応じる旨明らかにはしていなかったが、応じないとは言わなかったため、組合は前向きに対応するであろうと判断して本申請を行った。
ところが、会社は労働員会事務局の努力にもかかわらず、組合の斡旋申請に応じることを拒否した。組合が争議を解決し、M支部長が病気を治せる環境をつくろうとした努力は踏みにじられた。

(20)組合は11月1日、M支部長の母とともに、ソラストつかしん近辺でビラまきを行った。争議解決に向けた協力をソラストで働く労働者や市民に求めるためであった。ビラを受け取った市民からは「Mさんが気の毒、現場の人は介護を一生懸命やってくれている」「介護労働者はたいへんですね、協力したい」などの声があがり、ビラ配布に協力するといって50枚ほどビラを持って帰ってくれた市民もいた。ビラを配布した後、組合はソラストつかしんの事務所を訪ね、所長に対して争議の早期解決に向けて会社が努力するように申入れた。
11月2日、Mさんの介護を受けたことのある市民から、「Mさんは辛かっただろうね」「できることは協力するから」と組合事務所に激励の電話があった。組合はこうした市民の激励を受け、M支部長の雇用と生活を守るため奮闘する決意である。