2017年を迎えて

全国一般大阪地方労働組合ユニオンおおさか執行委員長 道脇清

ユニオンおおさかの仲間の皆さん明けましておめでとうございます。

安倍政権は、アベノミクス政策の行き詰まりのなかで政府と日銀による2%の物価上昇政策は失敗・破綻し、消費増税の再延期(2019・10)がなされました。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用も大幅マイナス(10兆円超)となるなかで年金法が改悪され、将来の不安定要因が高まり、抜本的な対策・対応が求められています。こうしたなかで政府は「働き方改革」を推しすすめています。長時間労働の是正や同一労働同一賃金をすすめるとしていますが、長時間労働を容認・助長する残業代ゼロ法導入を目論んでいます。しかも(1)同一労働同一賃金実現=正規と非正規の格差を是正し若者が明るい希望を持ち家庭を育み出生率の改善に繋がる、(2)長時間労働是正=ワークライフバランスを改善し、女性・高齢者の就業につながることによって「生産性が向上」となり「働き方改革」が最良の手段であるとしていますが、とうてい容認できないものです。

いま年収103万から150万円にして配偶者控除(38万円)を維持し、専業主婦やパート労働者の減税の継続をはかろうとしていますが、引き続き非正規労働者が増加・拡大するものであり、同一労働同一賃金の意義から方向性が全く違ったものと言わざるを得ません。もちろん子育てや介護で働けないところには手厚い支援が必要ですが、配偶者控除は拡充するのではなく縮小・廃止し、この財源を子育て支援などとすべきであります。

また、安倍政権は集団的自衛権行使容認とともに安保法(戦争法)を強行し、昨年は、PKOに従事する自衛隊の南スーダンでの「駆け付け警護」がスタートしました。自衛隊が「殺し殺される」戦争をする国にまい進しています。まさに、子ども・孫の世代が戦争の道へ引きずられていくのは必至であり、非常に危険な社会が到来しつつあります。こうした憲法改悪の動きに対して、9条改憲阻止にむけての大衆行動が重要となっています。一方で、労働法制の規制緩和の課題があります。労働者派遣法を改悪し(2015・9)、生涯派遣労働が可能となる法の強行や、組合つぶしの「解雇の金銭解決」、残業代不払いの「ホワイトカラーイグゼンプション」など労働者分断の法律を今年1月からの第193回通常国会で俎上に載せようとしています。長時間労働による電通の24才女性自殺(労災認定)などパワハラ・うつ病などが蔓延する「ブラック企業」に対する労働者保護のために労働者の団結が求められています。今こそ、労働組合に結集して反撃することが重要です。

こうしたなか2017春闘は、格差是正、生活向上にむけ確信の持てる要求を組織しとりくみ、春闘討論集会など春闘準備に全組合・組合員が体制作りをはかる必要性があります。他方で、昨年1年間の労働相談は前年以上に増加し、都島自動車学校、藤川ハガネ支部など6組合・支部の結成を行っています。今年も、多く地裁・労働委員会闘争や未組織の仲間の相談に対応して、ともに問題の解決を図っていきたいと思います。

本年もよろしくお願いします。